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喉(のど)の病気

喉について

イメージ喉は食べ物を食道や胃に送り込む役割と、肺に空気を届け、また言葉を発する役割を担っています。
さらには、口から入ってきた細菌やウイルスが体内に侵入するのも防いでいます。
いずれも、とても大切な働きと言えます。

こんな喉の症状はご相談ください

  • 喉が痛む
  • 喉に違和感を覚える
  • 喉につまり感がある
  • 喉が腫れた
  • 口の中が乾燥する
  • 口臭がある
  • せきが出る
  • 呼吸がゼーゼーする
  • 声がかすれる
  • いびきが酷い
  • 飲み込みが悪い など

代表的な喉の病気

以下に、耳鼻咽喉科で扱う代表的な喉の病気について、簡略に説明していきましょう。

扁桃炎

扁桃炎とは口蓋垂の左右に1個ずつある口蓋扁桃に、ウイルスや細菌による急性の炎症が起こる疾患です(急性扁桃炎)。年に3〜4回以上この急性扁桃炎を繰り返すようなら、慢性扁桃炎と診断されます。

症状
風邪のような症状(高熱や寒気、頭痛、全身倦怠感、関節痛)と強い咽頭痛が現れます。喉の奥を見ると、両脇が赤く腫れているのが見て取れます。

検査
症状を把握し、扁桃の状態を観察します。血液検査では、白血球の増加や炎症の程度をみるCRP(C反応性たんぱく:炎症や組織細胞の破壊が起こると血中に増加するたんぱく質)などをチェックし、さらに脱水の状態をみるために尿検査をします。適切な抗生剤を投与するために、扁桃の細菌培養検査を行うことがあります。

治療
ウイルス性の扁桃炎の場合は、一般に風邪を引いた時と同様の治療を行います。解熱剤を服用し、よくうがいをし、安静にすることで、通常は1週間程度で治ります。
細菌性の扁桃炎の場合には、抗生剤の投与が標準治療で、症状を和らげるために解熱剤や消炎鎮痛薬、うがい薬などが処方されます。慢性扁桃炎で薬物療法を行っても改善しないようなら、扁桃を切除する治療を行うこともあります。

咽頭炎

咽頭に炎症が生じた状態です。
風邪、インフルエンザなどによるウイルス・細菌感染、刺激ガスや粉塵の吸入、喫煙、声の酷使などによる粘膜の炎症が原因となります。

症状
喉の痛みや痒み、声がれ、せき、痰などの症状を呈します。重症化すると急性喉頭蓋炎などを合併し、窒息の恐れも生じるので、呼吸困難が伴う場合は要注意です。

検査
喉頭鏡により咽喉頭の観察を行い、炎症部位や程度を把握します。気道狭窄が無いかどうかも確認します。

治療
風邪に準じた全身的な治療や対症療法、吸入治療などを行います。重症化して気道狭窄がみられる場合は、抗生剤の点滴投与をします。外科的処置(気管切開)が必要になるケースもあります。

扁桃周囲膿瘍

急性扁桃炎に続いて起こり、口蓋扁桃の周囲に炎症が及ぶことによって扁桃周囲炎が発症します。
さらに菌が膿のかたまりをつくると、扁桃周囲膿瘍と呼ばれる状態になります。
若い成人男性によくみられます。

症状
喉の腫れ、痛み、発熱が生じ、膿瘍を形成するに及ぶと、顎(あご)が開きにくい、発音がしづらい、喉の片側面が強く痛む、飲み込みにくい、強い口臭が出る、などの症状が現れてきます。

検査
血液検査、CT、頸部の超音波検査などが行われます。

治療
抗菌剤を用います。抗菌剤があまり効かないような場合は、膿瘍に穿刺(せんし)や切開を施して、排膿処置をすることがあります。

声のかすれ

喉の酷使による一時的な声のかすれは心配ありません。
しかし、そうした状態が何ヶ月も続く場合や、徐々に進行していく場合、また反復して起こる場合などは、原因をきちんと特定しておく必要があるので、耳鼻咽喉科でご相談ください。
扁桃炎や咽喉頭炎、気管支炎など、よく見られる喉の病気のほか、声帯ポリープや悪性腫瘍、またぜんそくが関連しているケースなどがあります。
ほかに脳・脳神経の変性疾患や腫瘍などによって、喉の感覚異常や運動障害が生じていることもあります。
とにかく原因は多岐にわたり、時には重い病気のシグナルであったりもします。
例えば、下記の喉頭がんの症状としても、喉の違和感・声のかすれはみられますので、十分に注意する必要があります。

喉頭がん

喉頭がんは、喫煙者と大量にお酒を飲む方に多い疾患です。
声門上部にできる「声門上がん」、声帯にできる「声門がん」、声門下部にできる「声門下がん」の3つに分けられ、症状もそれぞれに異なってきます。

声門上がん
異物感、いがらっぽさ、食べ物を飲み込むときに痛む、などの症状が見られます。

声門がん
喉では一番多いがんで、初期症状は声のかすれです。食べ物を飲み込むときに違和感を伴うこともあります。

声門下がん
かなり進行するまで自覚症状がありませんが、最初の症状は、やはり声のかすれです。

※声のかすれが気になったら、一度は耳鼻咽喉科をご受診ください。

耳下腺炎・顎下腺炎

唾液をつくる耳下腺(耳の前から下にある)、および顎下腺(顎の下にある)に炎症が生じた状態で、いろいろな原因で起こります。主な原因はウイルスや細菌の感染です。
ウイルス性の代表的なものとしては、流行性耳下腺炎、いわゆる「おたふく風邪」があります。
唾液腺炎を発症すると、抗菌作用、粘膜保護作用、消化作用など、唾液のもつ機能が低下します。

症状
炎症部位の痛み、口の中の乾燥、唾液の減少、発熱、寒気などがみられます。

検査
血液検査や画像検査(超音波検査、CTなど)が行われます。

治療
細菌性のものに対しては抗生物質を用います。ウイルス性に対しては、全身的には安静と解熱薬の投与、局所的には冷湿布とうがいを行います。

口内炎

口の中やその周辺の粘膜に起こる炎症を総称して口内炎と言います。
ビタミン不足、疲労やストレス、口の内側を噛むなど、様々な原因によって起こり、口の中の粘膜であれば頬の内側や唇の内側、歯ぐき、舌など、どの部分にも生じます。
全身疾患の一症状として起こるケースもありますので、口の中のどこにできているか、多発していないか、繰り返していないか、治りにくくはないか、などを総合的に判断する必要があります。

症状
口内炎ができると、熱いものや冷たいものがしみたり、食べ物が触れただけでも痛みが強くなり、食事を摂れなくなったりすることがあります。

検査
全身性の病気が疑われるような場合は、血液検査などが行われることがあります。

治療
ステロイド薬や抗菌薬などによる薬物療法、ビタミン剤投与などが行われることがあります。原因疾患がある場合は、その治療を行います。

口腔乾燥症

唾液の分泌が低下して口が異常に乾きやすくなった状態のことで、よく「ドライマウス」とも呼ばれます。
糖尿病やシェーグレン症候群、薬の副作用(抗ヒスタミン薬、抗コリン薬等)、老化、口呼吸、ストレスなどが原因になります。

症状
軽度では主に口の中のネバネバ感、ヒリヒリ感が生じ、また虫歯が発生し、歯垢を増やし、口臭が生じます。重度になると、唾液分泌量が低下し、口腔内の乾燥が進行して、強い口臭、舌表面のひび割れ、痛みや飲み込みにくさによる摂食障害、会話しづらいなどの症状も現れてきます。不眠を招くこともあります。

検査
唾液量を測定する検査や、何らかの病気が隠れていないかを確認するための血液検査などが行われます。

治療
生活指導、および対症療法が中心となります。保湿性薬剤、保湿力の高い洗口液、保湿ジェル、夜間の乾燥を防ぐ保湿用マウスピース、夜間義歯などを症状に応じて用います。
唾液の分泌を増やす薬や人工唾液(スプレー)による治療が行われることもあります。